コンピュータやスマートフォンが当たり前の時代、子どものプログラミング教育の重要性が高まっています。
でも「自分はパソコンが苦手…」「コーディングって難しそう…」と不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。
安心してください!プログラミングの知識がゼロでも、お子さんと一緒に楽しみながら学べる方法がたくさんあります。
この記事では、ITの専門知識がなくても理解できる言葉で、家庭でできるプログラミング学習の基礎知識から具体的な始め方まで、詳しくご紹介します。
お子さんの可能性を広げる素敵な体験を、ぜひ親子で楽しんでみてください。
なぜ今、子どものプログラミング教育が注目されているのか
2020年から小学校でプログラミング教育が必修化され、多くの保護者が関心を持つようになりました。
文部科学省の調査によると、プログラミング教育を通じて育成される「論理的思考力」は、将来のキャリア形成において重要なスキルとして認識されています。
実際、AIやロボット技術の発展により、2030年には現在ある仕事の約65%が自動化される可能性があるというデータもあるんですよ。
これは少し怖い話かもしれませんね。
でも、だからこそプログラミング的思考を身につけることは、お子さんの未来の選択肢を広げることにつながるのです。
私自身、プログラミングを学んだことで、物事を順序立てて考える習慣が身についたと感じています。
単なるコンピュータスキルではなく、問題解決能力や創造力を育むツールとして、プログラミング教育の価値は計り知れません。
「でも難しそう…」と思われるかもしれませんが、最近のプログラミング学習ツールは驚くほど直感的に設計されています。
例えば、MITが開発した「Scratch(スクラッチ)」は、ブロックを組み合わせるだけでプログラミングができるため、小学校低学年のお子さんでも楽しめます。
このような環境が整ってきたからこそ、今がプログラミングを始めるベストタイミングといえるでしょう。
子どものプログラミング学習に最適な始め方と教材選び
プログラミング学習を始める際、最初に考えたいのはお子さんの年齢や興味に合った教材選びです。
年齢別におすすめの始め方をご紹介しますね。
まず、5〜7歳の低年齢のお子さんには、「コード・ア・ピラー」や「キュベット」などのプログラミングトイが最適です。
これらは約8,000〜15,000円程度で、実際に手で触れながらプログラミングの基礎概念を学べる玩具です。
特に「キュベット」は、画面を使わずに木製の小さなロボットを動かすため、デジタルデバイスの使用時間を気にされる保護者の方にもおすすめですよ。
小学校低学年〜中学年(8〜10歳)になったら、「Scratch Jr」や「プログラミングゼミ」などのビジュアルプログラミングアプリがぴったりです。
どちらも無料で利用でき、iPad(第7世代以降)やAndroidタブレット(RAM 4GB以上推奨)で快適に動作します。
「子どもだけでなく、私も一緒に学びたい!」という意欲的な保護者の方には、「Scratch」の公式サイトがおすすめです。
Scratchは世界で7,000万人以上が利用する人気プラットフォームで、日本語対応もバッチリです。
私も最初はブロックの意味がわからず戸惑いましたが、公式チュートリアルを親子で一緒に進めると、意外とすんなり理解できました。
小学校高学年〜中学生(11歳以上)になれば、「Minecraft Education Edition」や「micro:bit」なども挑戦できます。
特にmicro:bitは約2,200円から購入でき、LEDライトやセンサーを実際にプログラミングで制御できるため、物理的なフィードバックが得られる点が魅力的です。
「どの教材を選べばいいか迷ってしまう…」という方は、まずお子さんの興味関心から考えてみるのがコツです。
ゲームが好きなら「Scratch」や「Minecraft」、ものづくりが好きなら「micro:bit」など、お子さんが「やってみたい!」と思えるものを選ぶと継続しやすくなります。
無料で始められるおすすめオンラインプログラミング学習サイト
教材を購入する前に、まずは無料のオンラインリソースから始めてみるのも良い方法です。
「Code.org」は世界で1億8000万人以上が利用している無料プログラミング学習サイトで、アナとエルサやマインクラフトのキャラクターと一緒にプログラミングを学べるコースが人気です。
各コースの所要時間は約15〜20時間と明示されているので、週末に少しずつ進めるなど計画が立てやすいのが特徴です。
また、「プログラミングゼミ」のウェブ版は、日本の小学生向けに開発されたサービスで、ひらがなが読める程度のお子さんから始められます。
クリックだけの簡単操作で、ステージクリア型のゲーム感覚でプログラミングの概念を学べるため、挫折しにくい設計になっています。
さらに、「Hour of Code(アワー・オブ・コード)」は、60分で完結するプログラミング入門コースを多数提供しており、「とりあえず1回やってみよう」という気軽な気持ちで始めるのに最適です。
私の甥っ子は「マインクラフト」版のHour of Codeをきっかけにプログラミングに興味を持ち、今では自分でゲームを作るまでになりました。
こうした成功体験は子どもの自信につながりますよね。
これらのサイトはすべて日本語対応しており、パソコンのブラウザさえあれば無料で利用できるので、特別な準備は必要ありません。
「でも、子どもに任せきりにするのは不安…」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
心配ありません。これらのサイトは保護者向けのガイドも充実しているので、一緒に見ながら進めることができます。
親子で楽しめるプログラミング学習の進め方
プログラミング学習を親子の楽しい時間にするためのコツをお伝えします。
まず大切なのは、「1回につき30分程度」の短い時間から始めることです。
子どものプログラミングに関する集中力研究によると、10歳未満の子どもの集中持続時間は約20〜40分とされています。
質の高い短時間学習を週2〜3回続けるほうが、長時間の不定期学習よりも効果的なんですよ。
次に意識したいのが「失敗を楽しむ姿勢」です。
プログラミングは試行錯誤の連続で、エラーが出ることは当たり前のプロセスです。
「あれ?うまく動かないね。どうしてだろう?」と親子で探検気分で原因を探すと、問題解決能力が自然と育まれます。
我が家では「バグハンター!」と声をかけて、エラー探しをゲーム感覚で楽しんでいます。
また、「作品発表会」を家族で開催するのも継続のコツです。
週末などに5分程度の時間を設け、「今日はどんなものを作ったの?」と発表する機会を作りましょう。
特に小学校低学年のお子さんは、自分の成果を認めてもらえることで大きなモチベーションになります。
「すごいね!どうやって作ったの?」と質問すると、子どもは論理的に説明する練習にもなり一石二鳥です。
「でも、私自身がプログラミングを全く理解できていないのに、どうサポートすればいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
実は、プログラミングの内容を親が完璧に理解する必要はありません。
大切なのは「一緒に学ぶ姿勢」を見せることです。
「ママもパパも分からないけど、一緒に調べてみよう」という姿勢そのものが、子どもにとって最高の学びになります。
私も最初は全く分からなかったのですが、子どもと一緒に学ぶうちに基本的な概念は理解できるようになりました。
この経験から言えるのは、親の「完璧にサポートしなければ」というプレッシャーこそが、プログラミング教育の最大の障壁になりがちだということです。
肩の力を抜いて、一緒に学ぶパートナーとして関わってみてください。
年齢別のサポート方法と注意点
お子さんの年齢によって、サポートの方法も少し変えるとより効果的です。
幼児〜小学校低学年(5〜8歳)のお子さんには、画面の前に座る時間を1回15〜20分程度にとどめることをおすすめします。
アメリカ小児科学会の推奨によると、この年齢の子どもの1日のスクリーンタイムは合計1時間以内が望ましいとされています。
その代わり、プログラミングトイやアンプラグドアクティビティ(コンピュータを使わないプログラミング学習)を取り入れると良いでしょう。
例えば「ロボットごっこ」は簡単で効果的なアンプラグド活動です。
お子さんに「前に3歩、右に曲がって2歩」などの指示カードを作ってもらい、親がロボット役になって忠実に動くゲームです。
これだけでも「命令の順序」という概念が自然と学べます。
小学校中学年〜高学年(9〜12歳)になると、30分程度の集中学習が可能になります。
この年齢では「仲間と共有する楽しさ」も出てくるため、オンラインコミュニティの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
Scratchの公式サイトでは、作品を公開して他のユーザーからコメントをもらうことができます。
ただし、オンラインでの交流には必ず保護者が同席し、個人情報を書き込まないよう注意しましょう。
13歳未満の子どものアカウント作成には保護者のメールアドレスが必要で、コメント機能もモデレーション(不適切な内容のフィルタリング)されていますが、念のため確認することをおすすめします。
中学生以上(13歳〜)になると、より専門的な内容にも挑戦できるようになります。
例えば「Python」や「JavaScript」などの本格的なプログラミング言語に興味を持ち始める子どもも多いです。
これらの言語を学ぶための入門書は、1,500〜2,500円程度で購入でき、挫折しにくい分かりやすい解説のものも増えています。
特に「Pythonでゲームを作ろう」など、具体的な目標があるものを選ぶと、モチベーションを保ちやすいでしょう。
「子どもがどんどん上達して、私がついていけなくなってしまったらどうしよう…」という心配をされる保護者の方もいらっしゃいます。
それは素晴らしいことなんです!
子どもが親を追い越すくらい熱中できるテーマに出会えたことを喜んでいいと思います。
そうなった場合は、オンラインコミュニティやプログラミング教室など、さらに学びを深められる場所を一緒に探してみるといいでしょう。
プログラミング学習で陥りがちな落とし穴と解決策
プログラミング学習を始めると、多くの家庭が直面する共通の課題があります。
ここではよくある落とし穴と、その解決策をご紹介します。
まず最も多いのが「子どもがすぐに飽きてしまう」という問題です。
これは教材と子どもの興味がマッチしていないか、難易度が合っていない可能性があります。
市販の教材の多くは対象年齢が記載されていますが、実際には同じ年齢でも個人差が大きいものです。
例えば、公式サイトで8歳以上とされている「Scratch」も、実際には10歳くらいから本格的に楽しめる子どもが多いと感じます。
もし途中で飽きてしまったら、無理に続けずに一度別の教材に切り替えてみるのも一つの手です。
半年後に再チャレンジすると、スムーズに理解できるようになっていることも珍しくありません。
次によくある問題が「プログラミングの内容を親が理解できない」という壁です。
これは多くの保護者が感じる正直な気持ちでしょう。
そんな時は「CoderDojo」や「Tech for Kids」などの無料プログラミングコミュニティを活用する方法があります。
CoderDojoは全国に100か所以上あり、月1〜2回、ボランティアのメンターが子どものプログラミング学習をサポートしてくれます。
参加費は無料または数百円程度で、親子での参加が基本なので、保護者も一緒に学べる環境です。
私も地元のCoderDojoに参加してみましたが、様々な年齢や経験レベルの子どもたちが自由に学ぶ姿が印象的でした。
また「子どもがエラーで挫折しそう」という場面もよくあります。
プログラミングでは、一文字のタイプミスでもエラーになるため、初心者には難しく感じることがあります。
そんな時は「エラー・ハンティング・ゲーム」として捉え直すのがコツです。
「3つのエラーを見つけられたら、アイスクリームを食べに行こう!」など、エラー解決に小さな報酬を設定すると、挫折感が軽減されます。
さらに、多くの保護者が「どこまで教えるべきか」のバランスに悩みます。
すぐに答えを教えてしまうと思考力が育ちませんが、かといって全く手助けしないと挫折してしまいます。
プログラミング教育における適切な介入レベルの研究によると、「ヒントは与えるが答えは教えない」アプローチが最も効果的だとされています。
例えば「その命令ブロックの色は何色?青いブロックは動きに関係するよね」といった誘導質問が効果的です。
これは「スキャフォールディング(足場架け)」と呼ばれる教育技法で、子どもの自律的な問題解決力を育みます。
最後に、「習い事として続けるべきか」という悩みも多く聞かれます。
プログラミング教室の月謝は6,000〜15,000円程度と幅広く、家庭の教育予算に大きく影響します。
私の意見としては、まずは無料教材や書籍で基礎を学び、子どもが継続的に興味を示した場合に検討するのがおすすめです。
教室選びの際は、単発の体験教室に参加して、カリキュラムや講師との相性を確認することをお勧めします。
プログラミング学習が苦手な子どもへのアプローチ
「うちの子はプログラミングが苦手かも…」と感じることもあるかもしれません。
でも、それは教え方やアプローチが合っていないだけかもしれませんよ。
特に論理的思考よりも感覚的・創造的な思考が得意なお子さんには、異なるアプローチが効果的です。
例えば「Kano」というキットは、約15,000円からと少し高めではありますが、まずは物理的なコンピュータを自分で組み立て、その後プログラミングに進むという体験型の学習ができます。
手を動かすことが好きな子どもには、こうした「メイカー」的なアプローチが効果的です。
また、アートが好きな子どもには「ProcessingJS」や「p5.js」といった、ビジュアルプログラミング言語がおすすめです。
数行のコードで美しい図形やアニメーションが作れるため、プログラミングの達成感を得やすいのが特徴です。
算数や図形が苦手なお子さんには、まずは「アンプラグド・アクティビティ」から始めてみましょう。
例えば「宝探しゲーム」は、リビングに隠した宝物を見つけるための指示書(「ソファから3歩前に進み、右に曲がって…」など)を作成する活動です。
これもれっきとしたプログラミング的思考の訓練になります。
「うちの子は集中力が続かない」という場合は、一回の学習時間を10分から始めて徐々に延ばしていくことも有効です。
短時間でも「毎日続ける」ことで、少しずつプログラミングの基本概念が定着していきます。
何より大切なのは、「プログラミングができる・できない」で子どもを評価しないことです。
プログラミング教育の真の目的は、全員がプロのプログラマーになることではなく、論理的思考力や創造性、問題解決能力を育むことにあります。
どのお子さんにも得意分野があるので、プログラミングを通じてその子の強みを伸ばす視点で接してみてください。
知っておきたいプログラミング学習の将来性と可能性
「子どものプログラミング学習は、将来どんな可能性につながるのだろう?」と考える保護者の方も多いでしょう。
経済産業省の調査によると、2030年には日本国内で最大79万人のIT人材が不足すると予測されています。
つまり、プログラミングスキルを持つ人材の需要は今後も高まる一方と言えるでしょう。
ただし、私が強調したいのは、プログラミング教育の価値はIT業界への就職だけにあるわけではないということです。
プログラミング学習を通じて育まれる「コンピュテーショナル・シンキング(計算論的思考)」は、あらゆる分野で役立つ21世紀型スキルなのです。
例えば音楽家がデジタル作曲ツールを使いこなしたり、建築家が3Dモデリングソフトを駆使したり、医師が医療データを分析したりする時代になっています。
「でも、AIの発展で将来プログラマーは必要なくなるのでは?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
確かにAIによるコード生成技術は急速に発展していますが、むしろそれはプログラミング的思考の重要性が高まることを意味します。
AIツールを使いこなすためには、適切な指示を出し、生成されたコードを理解・評価できる能力が求められるからです。
私は個人的に、未来のプログラミング教育は「コードを書く技術」から「AIとの協働能力」へと重点が移っていくと考えています。
このような変化を見据えると、子どものうちからプログラミングの基礎概念に触れておくことは、大きなアドバンテージになるでしょう。
実際、プログラミング教育を早期に受けた子どもの追跡調査では、STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)分野への興味関心が30%以上高まるという結果も出ています。
特に女子児童の理系離れ防止にも効果があるとされ、ジェンダーに関わらず多様な選択肢を持つ未来につながります。
私の友人の娘さんは、小学3年生からScratchを始め、中学生になった今では環境問題を可視化するアプリ開発に取り組んでいます。
技術的スキルだけでなく、社会課題への関心も深まったのは、プログラミング学習の副次的効果と言えるでしょう。
もちろん、すべての子どもがプログラマーになる必要はありません。
大切なのは、デジタル時代の「読み書きそろばん」としてのプログラミングリテラシーを身につけ、可能性の幅を広げることです。
「我が子の将来のために今できること」を考えた時、プログラミング教育は非常に費用対効果の高い選択肢の一つと言えるでしょう。
プログラミング学習を通じて育まれる能力
プログラミング学習の価値は、単にコードが書けるようになることだけではありません。
実は、その過程で様々な重要な能力が自然と育まれていくのです。
特に重要なのが「論理的思考力」です。
プログラムは常に「もしAならB、そうでなければC」という条件分岐や、「Aを10回繰り返す」などの明確な指示で成り立っています。
こうした思考パターンを繰り返し経験することで、物事を筋道立てて考える力が育まれます。
これは算数や理科だけでなく、国語の文章構成や社会科の因果関係の理解にも役立つ汎用的なスキルです。
次に大切なのが「問題解決能力」です。
プログラミングでは必ず「バグ(エラー)」に遭遇します。
「思った通りに動かない」という問題に対して、原因を特定し解決策を考える経験は、日常生活のあらゆる場面で役立ちます。
経済産業省が定義する「社会人基礎力」の中核にも、この問題解決能力が位置づけられています。
さらに、プログラミングは「粘り強さ(やり抜く力)」も育みます。
スタンフォード大学の心理学者ダックワース博士の研究によると、学業や仕事での成功を左右するのは、IQではなく「グリット(やり抜く力)」だとされています。
プログラミングはまさに、試行錯誤を繰り返しながら目標を達成する経験ができる絶好の機会なのです。
私が特に注目しているのは、「創造性」との関連です。
一見、論理的なプログラミングと創造性は相反するように思えますが、実際には密接に関連しています。
LEGOのブロックと同じように、基本的な命令(ブロック)を組み合わせて無限の可能性を生み出せるのがプログラミングの面白さです。
MITメディアラボの研究では、Scratchのような創造的プログラミング環境での活動が、子どもの発想力や表現力の向上に効果があると報告されています。
私の息子は、最初はゲーム作りに興味を持ってプログラミングを始めましたが、今では詩の朗読と映像を組み合わせたデジタルアートの制作にも挑戦しています。
このように、プログラミングは理系・文系の垣根を超えた総合的な学びになり得るのです。
もう一つ見逃せないのが「デジタルリテラシー」の向上です。
プログラミングを学ぶことで、デジタル機器を単なる消費ツールとしてではなく、創造や問題解決のツールとして捉える視点が身につきます。
スマートフォンやタブレットを「ただ動画を見る道具」から「自分のアイデアを形にする道具」へと変える経験は、子どものデジタルとの関わり方を大きく変えるでしょう。
今日から始める!親子プログラミング学習のファーストステップ
さぁ、ここまで読んでいただいた皆さんは、プログラミング学習の意義や方法についてイメージが湧いてきたのではないでしょうか。
では、実際に今日から始められる具体的なステップをご紹介しましょう。
まず、最初の一歩としておすすめなのが「Hour of Code」の体験です。
特に「Minecraft」や「スター・ウォーズ」など、お子さんが好きなキャラクターが登場するコースを選ぶと、取り組みやすいでしょう。
所要時間は文字通り約1時間で、パソコンのブラウザさえあれば無料で体験できます。
「プログラミングっておもしろい!」という第一印象を持ってもらうことが、何よりも大切なファーストステップです。
次に、お子さんの反応を見ながら、継続的に取り組める教材を選びましょう。
小学生なら「Scratch」、幼児〜低学年なら「ScratchJr」か「プログラミングゼミ」が定番です。
Scratchは公式サイト(scratch.mit.edu)で無料で利用でき、ScratchJrとプログラミングゼミはタブレットに無料アプリをインストールするだけで始められます。
週に1〜2回、30分程度の時間を「プログラミングタイム」として設定すると、自然と習慣になります。
具体的なルーティン化の方法
例えば「毎週土曜日の10時」と決めておけば、親子でプログラミングを楽しむ時間が定着しやすくなります。
ただ、最初から難しいプログラムを作ろうとせず、公式チュートリアルやステップバイステップの教材を活用することが重要です。
Scratchの公式サイトには「はじめてのスクラッチ」という10分程度で完成する入門チュートリアルがあり、これを親子で一緒にクリアするだけでも大きな一歩になります。
「でも、私自身がプログラミングに苦手意識があって…」という方は、子どもと一緒に学ぶ姿勢を見せることが何より大切です。
私も最初は全く分からなかったのですが、「一緒に調べてみようね」と声をかけながら取り組んだことで、子どもが自信を持って挑戦するようになりました。
親子プログラミングのもう一つのポイントは、「作品を共有する場」を作ることです。
家族や祖父母に作品を見せる機会を設けると、子どものモチベーションが大きく高まります。
「おばあちゃんに見せるゲームを作ろう!」といった具体的な目標があると、子どもの創作意欲は驚くほど高まるものです。
また、プログラミングの概念を日常生活に結びつけるのも効果的です。
例えば料理を作るときに「まず卵を割って、次に混ぜて、それから焼く」という手順を「プログラムの順次処理」と関連づけて話してみるのも面白いでしょう。
「もしご飯が炊けていたら、カレーを作ろう。そうでなければ、サンドイッチにしよう」というのは、立派な「条件分岐」です。
こうした日常的な会話を通じて、プログラミング的思考が身近なものだと感じてもらえます。
さらに、地域のプログラミングイベントやワークショップに参加するのもおすすめです。
図書館や科学館、子ども向け施設などで定期的に開催されており、多くは無料または数百円程度で参加できます。
他の親子と交流することで、新しいアイデアやモチベーションが生まれることも少なくありません。
そして何より、プログラミングを「学習」ではなく「遊び」として捉える視点を大切にしてください。
「今日は何を作って遊ぼうか?」というアプローチで始めると、自然と創造性が引き出されます。
プログラミングの本質は「創造すること」と「問題解決」です。
正解を求めるのではなく、自分のアイデアを形にする楽しさを体験できる環境づくりが、親にできる最大のサポートかもしれません。
プログラミング学習に役立つ便利ツールとリソース
ここでは、親子プログラミングをより充実させるための便利ツールやリソースをご紹介します。
まず、タブレットやパソコンでのプログラミング学習を補完する「アンプラグド教材」です。
「ルビィのぼうけん」(翔泳社)や「コードがわかるようになる本」(日経BP)などの書籍は、約1,500円程度で購入でき、画面を使わずにプログラミングの概念を学べます。
特に「ルビィのぼうけん」は4歳からでも理解できる内容で、物語を通じてアルゴリズムの基本を学べると評判です。
次に、プログラミング学習の進捗を記録する「学習ポートフォリオ」も役立ちます。
100円ショップのノートでも構いませんが、作品のスクリーンショットを貼ったり、気づいたことをメモしたりする習慣をつけると、成長の過程が目に見えて励みになります。
我が家では「プログラミング冒険ノート」と名付けたノートに、新しく学んだことや作品の画像を記録しています。
半年後に見返すと、子どもの成長に驚かされますよ。
また、プログラミング学習を長続きさせるコツとして「5分間チャレンジ」という方法もあります。
「今日はやる気がない…」という日でも、「たった5分だけやってみよう」と声をかけてみてください。
心理学研究では、いったん始めると予定より長く続けることが多いという「ザイガルニク効果」が知られています。
5分だけのつもりが、気づけば30分熱中していた…という経験は多くの家庭から報告されています。
さらに、子どものモチベーションを高める「マイルストーン証明書」も効果的です。
Scratchやプログラミングゼミなどの学習サイトでは、特定のスキルを習得したり、コースを修了したりすると証明書がもらえる機能があります。
これを印刷して部屋に飾ることで、達成感と自信を育むことができます。
より発展的な学習を目指す場合は、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」という小型コンピュータも検討してみてください。
約5,000円から始められ、Pythonなどの本格的なプログラミング言語を学べるだけでなく、LEDライトの制御やセンサーと連携したプロジェクトなども挑戦できます。
家電のスマート化や自動化など、プログラミングの実用性を体感できる点が魅力です。
最後に、親子の対話を促進する「プログラミング・クイズカード」も手作りしてみると楽しいでしょう。
「ロボットに階段を上らせるにはどんな命令が必要?」「繰り返し処理とは何だろう?」など、日常の会話に取り入れられる質問カードを作っておくと、ちょっとした時間に学びを深められます。
こうしたツールやリソースは、必ずしも高価なものでなくても構いません。
大切なのは、子どもの興味関心に合わせて、プログラミングを日常生活に自然と溶け込ませる工夫です。
子どもの未来を広げるプログラミング学習の第一歩
プログラミング教育の本質は、コーディング技術の習得ではなく、デジタル時代を生きる力を育むことにあります。
論理的思考力や問題解決能力、創造性を育むプログラミング学習は、予測不可能な未来に対応するための重要なツールです。
保護者として大切なのは、完璧なサポートではなく、子どもと共に学び、失敗を恐れず挑戦する姿勢を見せること。
プログラミングは競争ではなく、子どもの興味や発達段階に合わせて、無理なく楽しく取り組むことが重要です。
週に30分程度、ゲーム感覚のアプリから始め、「できた!」という成功体験を積み重ねることで、子どもの自己効力感が育まれます。
この自信こそが、将来どんな分野でも挑戦し続ける原動力になるのです。
今日から親子でプログラミングの冒険を始め、子どもたちの無限の可能性を信じて、一緒に新しい世界への第一歩を踏み出しましょう。